セカイノミカタ(作者:sugiya様)
あらすじ：女子高生・新山直は誕生日には紅茶を飲むべきと言う亡き姉の言いつけを守る為、ひとつの紅茶店に入る。
そこで出会ったのは姉を知る美しい男子高校生・法条宝。
それをきっかけにするように色々な人と出会い、そしてある日事故が起こる。
主人公・直はあらすじ通り宝と出会い、不自然な姉の死についての賛同者を得ます。
姉は所謂予知能力者で、能力は隠していましたが、6年前のマンホール爆破事件の犯人を言い当て、スーパー小学生として周囲に持ち上げられる程でした。
しかしその姉は遠出した先で大震災に遭い、亡くなってしまいます。本当なら予知で回避出来るはずなのに。
簡単に答えがわかるはずもなく、紅茶店に通う二人は次第に友人となり、他の客や同級生とも知り合っていきます。そうしている間にも街には宗教団体アルベルト・アガペーの信者が増殖し、バラバラ殺人事件に怯えていました。
そしてある日、ひとつの事故が起きてしまうのです。
被害者の家族は言う――僕の父親を、探してほしい。
主張し過ぎないが雰囲気を作る良いBGM、独特だが可読性の高いフォント。癖がなく爽やかで読みやすいテキストに、共感出来る至って普通の主人公。
序盤のオーナーと主人公のやり取りを読み進めていくだけで、あっという間にゲームに馴染んでいけます。
本作は一本道ノベルゲームとなっております。そうなると読みやすさが非常に重要となってくるのですが、その辺に関しましては一切心配無用。
又ノベルゲームといいますが、形態としてはADVのように立ち絵が出て、その下にテキストウインドウといった体になりますね。美少年のご尊顔も拝めます。
そしてなんと、オープニングアニメーション付き！
このゲームの要素をぎゅっと詰め込んだような謎めいた雰囲気のオープニングは、これからの展開に不安と期待を持たせてくれます。
物語に激しい緩急はなく、比較的緩やかに進んでいくのですが、そこがまたリアリティがあり、今作らしさを生んでいます。
物語は複数のエピソードからなり複雑なのですが、それも綺麗に解明、描写する技量には感嘆いたしました。
キーワードは物騒なのに、最初から最後まで清涼感漂う良いノベルでした。
清涼感とは打って変わって渋みのある本編読後エピソードも必見。
すべての伏線を回収し謎を解明してくれる丁寧さには感動です。
尚ゲーム内から公式サイトへ飛ぶ項目がありますが、どうやら現在は機能していないようです。とそれだけ。
ダウンロードはこちらから↓
