彼女の嘘の止まった世界(作者:CALMFLAP様)
あらすじ:佐伯翔が目覚めた時、それは過ぎた筈の昨日の22日であった。
原因も抜け出し方もわからないまま続くループに、佐伯の心は摩耗する。
死んでしまえば何か変わるのでは？追い詰められた佐伯は学校の屋上へと向かう。
しかしそこには、居るはずのない先約がいた。
ループに気付いた男女が微かな手掛かりから原因究明、そして解決へと模索する。選択肢無し伏線ありの、一本道ループ物のノベルゲームです。
序盤から終盤まで通して主人公が聡い為、プレイヤーは明らかに気づいているのに主人公が鈍感過ぎると言う苛立ちを感じることなく読み進めていけました。
描写はわかりやすく簡潔。けれどそっけない訳じゃないと言う絶妙なバランスで、とても読みやすい文章でした。会話のテンポが良く、クラスメイトや妹とのやりとりが面白かったです。そこで主人公はひょうきんなキャラクターかと思いきや、いざと言う時の言動がまっすぐでとてもかっこいい。信念のある男って尊敬しますね。
そしてそんなテキストと並ぶのは、まるで質量をも感じさせる、生き生きとしたキャラクターグラフィック。これは一体差分いくつあるんでしょうか、そんな事までうっかり気にしてしまうくらい、登場人物達――主にヒロインの表情はくるくる変わり、親しみを覚えます。自体が自体なのでヒロインも序盤は困り顔が多いのですが、その分笑ってくれると本気で嬉しくなってしまいました。いや、本当にかわいいんですよ！！
ストーリーは現代学生王道ループ物なので読めてしまう所もありましたが、寧ろそこは展開をスムーズにする為に読みやすくしているんだよ、くらいに思われてるのかも…とラストシーンで涙を拭いながら思いました。主人公、ヒロイン、そして自分にとっても良い経験でした…！
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