惑いの夜と誘いの影(作者:カナタカユウ様)
あらすじ:今校内は『D棟の鏡の影』と言う怪談で賑わっている。それは語り手によって物語が変わる、捉え所のない話。
その怪談を収集していた男子高校生の蛍雪は、噂の現場まで向かおうと真夜中の学校に忍び込み廊下を進む。
道中ふと人影のようなものを見付けた蛍雪は、もしかすると、と先に進むが――?
前回にもご紹介させて頂きました、カナタカユウ様制作のシリーズタイトルです。
シリーズタイトルですがどれも一話完結、所謂オムニバス物と言うのでしょうか。前作を知らなくとも十二分に楽しめますが、プレイしてあると所々でニヤッと出来るのでおすすめ!
今回でこの作者様の作品をご紹介させて頂くのは三作目となるのですが、どれもテイストが異なっていて、とても芸の幅が広い方ですね。それでもってしっかり世界観やストーリーに芯がある安定感はさすがです。
今作は三人のキャラクターそれぞれの視点で、章に区切られた物語を読み進めていく、ホラーテイストファンタジーノベルゲームです。
蛍雪くんは怪談の為に、璃々子さんは彼に助力しに、眞洋さんは好奇心で夜の学校に向かい――そこで『噂』と出逢う。
読めるストーリーの時系列はバラバラ。キャラクターの自己紹介は無しと序盤は何がなんだかと言う感じですが、中盤を過ぎる頃になると二重の意味でパチリパチリとピースがハマっていき、脳内ですべてが繋がり理解した時のカタルシス!
一人称視点だと語り部本人のことがわかりにくくなる問題も、視点切り替えにより解消されていたのも良かったです。
上に貼られている画像を見て頂くとわかると思うのですが、先にピースがハマっていくと表現したのは比喩だけではなく、実際このように額縁にナンバリングされた鏡のピースを収めることでストーリーが開放され、読むことが出来ると言うユニークな仕掛けがあるからなんですね。
ピースはストーリーを進めていく内に手に入りますが、その手に入れたピースが三人の内誰のピースかは、プレイヤーが使ってみないとわかりません。
そして嵌め込む箇所を見付けたらパチリ。ストーリーを進めましょう!
ピースはストーリーの中に混じっているので、全然進めないぞ?と言う時は読み損ねている話がないか確認してみましょう。文字入力画面で躓いた場合も同様です。スキップを使っていたら見逃してしまうので注意!
ついでに言いますとストーリーのナンバーは時系列。全部集め終わったらナンバー順に読んでみると、色々とスムーズに理解出来ておすすめです。
不可思議な世界にとっぷり浸かっちゃってください。
エンディングはひとつでそれ以外はバッド。
エンディングでは驚きに驚きました。こんな所でおまっ、まじかー!
ダウンロードはこちらから↓