共依存論(作者:一限はやめ様)
あらすじ：共依存の相手を求め、ネットを彷徨うクル子。
その日もまた新しい募集の書き込みをする。
主人公クル子は引きこもり。共依存出来る相手を求めています。
ネットでのやり取りとリアルでの思索を繰り返しながら、時折表れる選択肢を選び、ストーリーを読み進めていきます。
謎解きや脅かし要素はなく、彼女の心情を追って行くのがメイン。
セーブのタイミングが独特なので、エンディング回収をしたいのならそこだけ気をつけましょう。選択肢も難しくありません。
先程心情を追っていくのがメインと書きましたが、引きこもりの共依存募集者、と言うだけで「既に」何かがあった事が伺えます。
人間を取り巻く環境や複雑な人間関係について、この短さでこうまでも生々しく描かれるとは思いませんでした。脱帽です。それらを真正面からプレイヤーに読ませていく、そこが凄い所だと思いました。
ワンマップと言う縛りが、この作品では逆に効果的です。
閉鎖空間に一人。その一人は現実的な思考を持ち、自分が動かす。
クル子の生々しさが、プレイヤーと同化する。プレイヤーがクル子になるのです。
無事トゥルーエンドを迎えられた時は心底ほっとしました。
主人公はこんなに簡単にこうなってしまうの？と言う疑問さえ浮かびませんでした。
閉鎖空間での一対一のやりとりとは恐ろしい。
尚、カテゴリに関する描写は軽微ですが、感情移入し易い方は控えた方がよろしいかもしれません。
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