サツジンキ、セモ(作者:Trifling Mud様)
あらすじ:これはとある死刑囚との対話の記録。
――何故人を殺したのですか?「不快だったから」
この死刑囚に、人間らしさはあるか。
1000文字と言う縛りの中、こうまで綺麗に話を纏められるものなのかと呆然としてしまいました。
内容は「誰か」が瀬茂死刑囚との対話の記録と言うことで、こちらから干渉は出来ません。
ただただふたりのやり取りを見ているだけ。クリックするだけ、画像も一枚だけと、とてもシンプルな作りをしています。
瀬茂死刑囚は何人もの殺害を行ったそうで、それだけ聞くともっと頭のおかしい人をイメージしますがそうではなく、対話をしている彼の様子はとても理性的で、問いかけてくる内容も哲学的。
途中で時間が来て対話が途切れてしまうのですが、自分はもっと彼の話が聴いてみたいと思わされました。彼にはどうにも不思議な魅力があります。
そしてエンディングを迎えた時、私は呆然としながら、対話の途中に感じた引っ掛かりがとれて、納得を覚えるのでした。
そうして思い返すと、「誰か」が瀬茂死刑囚に求める対話と言うスタイルはとても真摯で、優しいものだったと思います。
掌編ですので、ちょっと何か読みたいなと言う方には是非おすすめしたい作品です。
カテゴリーはタイトル所以の物で、内容的にグロテスクな描写はありません。
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