オモイ オモイ(作者:gawa様)
あらすじ:半年間ボクをストーキングしていた彼女は言った。
「ワタシのお父さんを殺したのはあなた？」
そう言いつつも好意的に振る舞う彼女に戸惑いながらも惹かれる主人公・景人。
――【悪役】は、幸せになって良いのか。
思い巡るADV。
いつも通りストーカーの少女の存在を背後に感じながら、これまたいつも通り過ごしていた主人公・景人。しかし半年間もの間、主人公に交流を求めてくる事はなかったストーカーからと正面からの遭遇。そして会話。それだけでも驚くと言うのに「ワタシのお父さんを殺したのはあなた？」だなんて問われたならば、動揺するのも仕方ありません。――だって、本当のことだから。
主人公とその兄・豊は、対象を眠らせる、痛覚を操作する等特殊な能力を備えており、その力を使い【お仕事】と称して、悪人に怪我を負わせ、甚振り、悪人の被害者でこの【お仕事】を視聴者にモニタリングさせる、と言う事を組織ぐるみで行っていました。主人公はそれを【悪役】と呼びます。そして【悪役】に選ばれた加害者兼被害者中のひとりが、ストーカー・理子の父親だったのです。
と、言うのが導入。
そんな事がありつつも何故か理子は怒るでも泣くでもなく、純粋に景人を慕っている様子。最初こそ一体どんな人物なのかわからず恐ろしげでもあったのですが、景人に好かれようとトンチンカンな行動を起こしてしまうところなんて、天然っぷりが炸裂していて、大変かわいらしかったです。それと図書室での頬染めスチル！普段表情の変化が控えめだったせいもあって、めちゃめちゃかわいかったです！
最初こそ戸惑う景人でしたが、いつしかお互い惹かれ合っていきます。しかしそこで浮かび上がる、【悪役】が幸せになって良いのか？と言う思い。
同業、あるいはそうなる子供達が【ヒーロー】と呼ぶ【お仕事】。悪いやつをやっつけた、やったあ！で済ませられれば、どれほど楽だったでしょうか。景人達が行っている事は紛れもない殺人なのです――。
……設定厨なので施設等のバックグラウンドを気にしてしまうのですが、もしかしたら世界観を同一にした別作品が出ていたりするのでしょうか。気になります。
お話は一本筋が通っている感じで、読んでいて安心感があります。
自分は能力物はどうにも能力物パートに気持ちが傾いてしまいがちなのですが、今作は日常パート、能力物パートと言う垣根がなく、フラットな感じで読めました。
理子先輩とのテンポの良い会話が楽しかったですね。先輩のことだから、またズレた本で会話を予習しているのかも、と思うとかわいいです。
最後はちょっと寂しかったですが、希望があって良かったです。
キャラクターの魅力は勿論、シナリオがしっかりしている良いゲームでした！
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