包丁さんのうわさ(作者:神波裕太様)
あらすじ:「包丁さんって知ってる?呼び出したら誰でも殺せるんだって。でも、そのかわり・・・・呼び出した包丁さんは本当の名前を言わないと帰ってくれないんだって」
この町に昔から伝わる昔話、カミサマの包丁さん。
軽い気持ちで行った呼び出しの儀式。それが、どれほどの恐怖をもたらすとも知らず。
嫌いな先生を殺して欲しい。
放課後の教室で、主人公達はそんな願いを込めて包丁さんを呼び出す儀式を行いました。
あまりにも軽率な願い、あまりにも簡単な儀式方法。それ故に、主人公達の誰も、そんな儀式が成功するだなんて思ってもみなかったのでしょう。
しかし包丁さんは召喚されてしまった。
その姿は一見して普通の童女。しかし彼女は人外の御業で見事に願いを叶え、そして今度は主人公らにその刃を向けました。
散り散りになって逃げ惑う四人。果たして主人公らは包丁さんから逃げ切れるのか。
いつ包丁さんと遭遇するかわからない緊張感の中のハイド・アンド・シーク。
主人公の少女の一人称視点で校舎を探索し、エンディングを目指します。
こう書くと難しそうですが、難易度は易しい。ちょっとゲームに手を出してみようかなと言う方にもおすすめです。
全体的に文章は簡素なのですが、それが主人公の恐怖や焦燥感を演出し、プレイヤーに同調を促します。途中の薄情にも見える行動もリアルですし、今までの追体験を思うと仕方ないよねと納得したくなりました。
感情移入しやすいタイプの方はちょっとつらいかも?
全体的に恐怖・グロテスク表現は抑えめだと思います。
それから主人公を襲うのは、何も包丁さんだけではありません。
人外の包丁さんが存在しているのなら、他の人外が存在してもおかしくありませんよね?と、言う訳で目的もなく彷徨っていると、思いがけない恐怖を味わうことになりますのでご注意!現役学生さんですと恐怖倍増かも。
目的と言えば包丁さんをどうにかすることですが、こちらはそれらしい所を探索すればヒントがすぐ見付かりますし答えも簡単なので、変に捻って考えなければ大丈夫だと思います。家事をする方なら初見真名看破出来ますね。
正規エンディングを迎えて知った真実には、どうしようもないやりきれなさを感じました。カミサマになるには理由もありますよね、と言う話。
あの後の主人公が逆恨みを受けていないかは少し心配です。
スピンオフと言いますか、包丁さんにスポットを当てた番外編も同作者様が制作しておりますので、もっと深く知りたいと言う方は触れてみるのも宜しいのではないでしょうか↓
本編包丁さんのうわさはこちらから↓