レムレスブルーの午前2時(作者:心太様)
あらすじ:真夜中の午前二時、幽霊に恋をした。
消えた天才・アカネ、死者さえ蘇らせる幻のレムレス・ブルーと、謎の幽霊。
それぞれの思いが幾重にも絡み合い、捻れ、のたうつ。
ミステリー・サスペンス要素をふんだんに含んだ、少年愛ADV。
舞台は夏、帰省期間中の学校とその寮です。
序盤は主人公アオイがメタフィクション的なトークで、明るくスタート。
しかしアイドル探偵イツキの口から『レムレス・ブルー』と言う単語が出てきてから、次第に雲行きが怪しくなっていきます。
死者さえ蘇らせる幻のレムレス・ブルー。
その入手方法は『アオイのハートを手に入れて』?
その意味は、その根拠は、それを求める動機は一体?
キャラクターそれぞれの思惑や過去、そして選択。
軽妙かつ独特のテンポで始まるシーンにやがて不穏な影が差していき、そうしてどんどん物語に引き込まれていく、複雑に練り込まれたテキストは必見です。
一見するとただの軽口や独り言であったそれが、やがて来る物語の終焉への伏線であったりするので油断出来ません。しかもそれがひとつではない。伏線に次ぐ伏線、そして伏線。このゲームは伏線で成り立っていると言っても過言ではないのではと思われます。そしてその伏線のどれもが巧妙に仕組まれている為、ふとした瞬間に点と点が繋がる。これが快感。一度気付くともしかしてあれも?これも?と考察したくなること請け合い。実際自分がそうでした。クライマックスに向かう場面では、もう伏線回収のオンパレード。一気に読み進めたくなること請け合いです。
ルートは先輩のサクラ、アイドル探偵のイツキ、そして幽霊と噂のカナタ&アオイ。
物語全体としてのトゥルーはカナタとアオイのエンディングですが、他のメンバーとのルートも必見。そしてどのルートでもバッドエンドが豊富に取り揃えております。このバッドエンドも美しかったりやりきれなかったり、はたまた恐ろしかったりで飽きることがありませんでした。
そしてこの記事上部に添付したスクリーンショットを見てもわかるように、イラストも透明感があり美しく、それが彼らの危うさにマッチしていて素敵です。
表情も豊かで、台詞を言うほんの一瞬でスッと表情が変わるシーンは是非見ておきたいところ。その為二周目以降となると、このキャラは既にこの部分で引っかかっていたのか、などと察することが出来て楽しかったです。
そしてこの作品を盛り上げるのはそれだけじゃありません。作者様が相当拘ったのだろうと思われるBGMの数々がプレイヤーと物語を盛り上げ、時に笑わせ、時に焦らせ、時に泣かせてくれます。
そのこだわりは曲だけじゃなく、流すタイミングやボリューム等些細な点にまで及びます。
作中で使用された音源につきましては作者様が纏めて下さっていますので、公式サイトレムレスブルーの午前2時を御覧ください。なんと攻略まで纏めて下さっています!エンディング回収の時は大変参考になりました。
なにはともあれ、未プレイの方にはハイテンションな開幕から不穏さが滲み出るChapter3まではプレイ時間も短いので進めて頂ければなと思います。
あそこまで行って気になったのでしたら、もう貴方はエンディングまでプレイすべきです。
少年愛と言う部分が引っ掛かる方も多いと思いますが、ミステリーとして非常に優れた作品でありますから、是非に!
プレイ出来る環境にない方でも、現在コミカライズとノベライズが販売されていますので、そちらから入っても良いのではないでしょうか。
最後に。
――死んでも出会う運命だった。
ダウンロードはこちらから↓
公式サイト:レムレスブルーの午前2時